Chekipon BLOG  
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~捨て犬レインの物語~

人間で言うと80歳近くになっているらしい。

左目が白濁していたので、きっと白内障かなにかを患っているんだろう・・。



でも、その年齢にしては、大きな声で吠える。

迫力のある野太い声で吠えられたら、チョット吃驚してしまう。



身体もチョット、メタボ気味の大きな体躯。

毛並みも綺麗で、フサフサだった。



古い着物を洋服やカバンなどの小物に作り変えたり

ちょっとした洋服を扱っている、小さなお店。



商店街の中にある小さな洋品店。



そこの看板犬として、店の奥にドカンと腰を下ろしていたゴールデンレトリバー。



その犬の名前は、レイン。





先週の日曜日、お花見の帰りに立ち寄った商店街での出会い。



そのお店を一人で営んでいるおばさんにかまってもらいたくて、吠えていたレイン。



店じまいの片付けをしていたおばさんは、「チョット、待っててね」と声をかけていた。



とても人懐っこく尻尾を振ってくれたので、

店じまい前のお店に入らせてもらい、その犬との時間をしばし楽しんだ。



大きな身体なのに、撫でてあげるとすっかりリラックスし、

恍惚の表情をしていたのが、おかしくて可愛くて・・。



もう、帰ろうとすると何度も何度も寄ってきて、遊んでくれ!とせがんだレイン。



飼い主のおばさんは、こう言った・・・。



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「この子は、12年前の大雨の夜に公衆トイレの中に捨てられてきたのを

私が、拾ってきたの・・。



ずぶぬれになって、トイレから出てきた所をたまたま私が当時飼っていた犬の散歩に

その前を通りかかった時に、みつけたのよ。



もう、ずぶぬれで可哀想で可哀想で・・。



翌日、警察に届けたら、「ここで、預かることはできないから、おばさん、預かって」と言われて

飼い主からの連絡が来るまで、私が預かることにしたの・・。



写真を撮って、ポスターも作って、私が預かっているって書いて

色々な所に貼って知らせたのだけど・・・

3日経っても、1週間経っても、飼い主は現れなくて・・・。



こんな可愛い、それもゴールデンレトリバーの子犬を捨てる人なんて・・・いるはずない、

って思ったんだけどね。



雨の日に私が拾ってきたから、この子の名前を『レイン(雨)』と名づけたのよ。



結局、飼い主は見つからず、半年が過ぎて・・・・正式にうちの子にしたの。

もう、完全に、情が移っていたからね。



あれから、もう12年・・・。」



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12年前、雨の夜におばさんに拾われた名無しのゴールデンレトリバーは、

怯えた寂しい表情をしていた写真を見せてもらった。



半年後、子犬だったレインは名前を授けられ、

正式におばさんの子になった時の写真は、とても明るく全く怯えがなくなっていた。



そして、年を経て今は、甘えん坊のおじいさんになっていた・・・。







毎朝、walkingしている時に、犬の散歩をさせている人によく出会う。

皆、幸せな暮らしをしているのかはわからないけれど、

それでも、散歩に連れていってもらえる暮らしは、きっと幸せなんだろうと思う。



けれど、一方でNPO団体が捨てられた犬を保護し飼い主探しをしているという。

そういう団体に保護された犬は、ラッキーな方で、

不幸にも、処分される犬も少なくない・・と聞く。



そういう事を少しだけ知っていたバームクーヘンは、

このレインの話を聞いた時、レインがとてもいい人に拾われた事が嬉しくなった・・。



不覚にもおばさんの話を聞いている時、ウルウルしそうになってしまった。



来年、またあの場所へお花見へ行った時、レインはその店で番犬をしているだろうか。



また、尻尾を振って迎えてくれるだろうか・・・。





美しい桜を見終えてレインとの出会いで、心がさらに暖かくなった日曜日の夕暮れでした。











レイン


2010年04月07日00:11:50

Posted by バームクーヘン その他